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加工は進むのに、検査で止まる。特定技能人材に加工だけでなく検査も任せられるか

加工は進むのに、検査で止まる。特定技能人材に加工だけでなく検査も任せられるか

金属加工の社長・人事担当者へ|加工と検査の人手不足を考える

加工は終わっているのに、検査待ちで出荷へ進めない。測定の応援に入るため、熟練者が加工機から離れている。もし現場がそうした状況なら、「加工できる人を、もう一人採る」だけで、困っている場所に人を配置できるでしょうか。

先に考えたいのは、検査のどの仕事を分担できれば、生産を回しやすくなるかです。測る、記録する、良否を判断する。その中身を分けると、特定技能人材の採用・配置で確認する条件と、現場で準備する教育が具体的になります。

この記事で、自社について判断すること

  • 検査の人手不足は、測定・記録・判定のどこにあるか
  • 加工と検査を担う公表事例から、自社で何を確認するか
  • 担当範囲を広げる前に、品質確認と教育を誰が担うか

1.「検査を任せたい」を、どの仕事かまで具体的にします

人事は「検査員を採りたい」、現場は「測ってくれる人が欲しい」、品質担当は「合否を決めるのはまだ任せられない」。もし社内で期待がずれているなら、人数を決める前に仕事の範囲を合わせておきましょう。

図解|加工後の「検査」を、4つの役割に分ける
  1. 1測る:指定の箇所を、決めた方法で測定する
  2. 2記録する:数値・単位・製品との対応を残す
  3. 3判定する:規格・公差・見本と照合する
  4. 4異常時:止める・区分する・担当者へ報告する

RingHR作成の工程・役割整理の例です。作業の従事可否や技術的な測定条件を示す図ではありません。

任せたい仕事採用・配置の前に具体化する情報
寸法を測る製品と測定箇所、使う測定器、測定方法。ノギス、マイクロメータ、ゲージ等のどれを使うか。
数値を記録する記録する数値・単位、図面や検査票との対応、品番・ロットの確認方法。
外観や良否を確認する規格・公差・限度見本等の基準と、迷った場合の確認先。
不良・異常に対応する作業を止める条件、不良品の区分・報告、再加工や出荷を決める人。

上の場面と図表は、仕事を整理するための例示です。「測るところまでを分担したい」のか、「良否の判断まで担ってほしい」のかで、確認する技能と教える内容は変わります。測定条件や作業手順は、自社の作業標準に沿って整理してください。

2.公表事例には、加工だけで役割を固定しない取組があります

公表事例①|ダイカストの担当者が、段取り・機械検査にも従事

JAIM掲載のダイカスト製品製造の事例では、主業務がダイカストの特定技能人材が、金型段取り・機械検査にも従事する取組が紹介されています。主業務が溶接の人材についても、仕上げ・金型加工・機械検査の記載があります。

自社で考える手がかりは、加工の前後まで理解して働ける役割を、どう設計するかです。検査の応援が必要な時間帯、担当してほしい測定・確認、現場で教えられる範囲を並べてみてください。

出典:JAIM掲載「製造業における特定技能外国人材受入れ事例」掲載頁40(PDF41頁)/2024年8月時点。

公表事例②|鍛造工場の仕事に、鍛造作業と品質検査

同じ事例集の鍛造工場の例では、特定技能人材の主な業務に、プレス機を使った鍛造作業と品質検査が挙げられています。

加工と検査を含めて採用・配置を検討する参考になります。ただし、同じ一人が両方を担当するか、測定方法や最終判定の権限までは、この資料から確認できません。

出典:同事例集 掲載頁6(PDF7頁)/2024年8月時点。

いずれも公表資料に基づく紹介で、RingHRの支援実績や取引関係を示すものではありません。事例企業名は本文では省略しています。他社の配置をそのまま当てはめず、自社の製品・作業・本人の条件を照合します。

「うちの検査はどうか」が気になった方へ

測定器の名前や検査の正式名称が、まだ分からなくても構いません。「何を確認し、誰が良否を決めているか」から整理できます。

工程相談で伝える内容を見る

3.検査も任せられるかは、工場・仕事・本人をつなげて確認します

① その工場で、何を製造しているか

対象となる事業所の産業は、令和4年経済産業省告示第127号第2条に定められています。会社名や「金属加工業」という呼び方だけでなく、受入れ事業所の製造品・製造活動を確認します。

公式資料:令和4年経済産業省告示第127号 第2条(最終改正:令和8年5月8日)。

② 検査の実際の内容と、主に担う仕事との関係

工業製品製造業分野の運用要領14頁は、確認された技能を要する対象業務へ主として従事することを求め、関連業務について次の制限を示しています。

「専ら関連業務に従事することは認められません。」

法務省・経済産業省編「工業製品製造業分野の運用要領」14頁【業務内容】(令和8年6月25日一部改正)

だからといって、「検査はすべて関連業務」と決めることもできません。自社の検査がどの技能を要する仕事なのか、本人が一日の中で何を担当するのかを確認します。「検査員」という求人名だけでは、対象性を説明できません。

運用要領の別表には「機械検査」の記載がありますが、技能実習2号による試験免除の職種・作業欄等の記載を、自社の検品作業すべてに従事できる一覧として読むことはできません。業務区分、技能、製品、実作業を合わせて照合します。

公式資料:同運用要領 別表(機械金属加工、PDF34~35頁)。

参照:JAIM「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」Q2-1-1・Q4-1・Q4-2-1・Q4-2-2(令和8年9月18日時点版)。FAQは制度運用の解説資料として参照しています。

③ 新しい技能を教える体制と、本人の条件

JAIM FAQ Q4-3-2は、溶接の技能実習2号修了者が、特定技能の「機械金属加工」へ移行し、同区分内の機械加工・仕上げを担う場合を説明しています。新しい技能を要する業務では、日本人従業員に行うものと同等の訓練・研修が必要とされています。

これは、検査なら何でも任せられるという回答ではありません。本人の試験・実習歴・経験と、追加したい検査の技能を照合し、自社の測定方法・品質基準を教える準備へつなげます。

参照:JAIM「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」Q2-4-1・Q2-4-2・Q4-3-2(令和8年9月18日時点版)。FAQは制度運用の解説資料として参照しています。

4.「誰が教えるか」と「誰が出荷を判断するか」まで決めます

人を採っても、品質担当が全て測り直し、加工担当者がその都度教えているままなら、現場の負担がどれだけ変わるかは分かりません。採用や担当範囲の変更を決める前に、分担したい作業と、習得を確かめる基準をそろえておきましょう。

社長・人事が現場と決めること準備する内容
教える担当と時間測定器の使い方、測定箇所、記録方法を誰が教えるか。教育中の持ち場を誰が補うか。
習得を確かめる方法同じ製品を決めた手順で測り、記録・判定まで再現できるか、担当者が確認する。
判断と権限の境目本人が判断する範囲、迷ったときの確認先、再加工・出荷可否を決める人を明確にする。
品質と負担の確かめ方測定のやり直しや応援がどこに残っているかを見て、担当範囲・教育を見直す。
図解|検査への配置を決めるまで
  1. 1不足する作業を特定する
  2. 2制度・本人の条件を確認する
  3. 3教える人と品質基準を決める
  4. 4習得を確認して配置を検討する

RingHR作成の工程・役割整理の例です。作業の従事可否や技術的な測定条件を示す図ではありません。

この表と図は、現場の受入れ準備を具体化するためのRingHRの提案です。最初から全ての判断を一人に任せる必要はありません。どの仕事の分担から検討するかを、制度上の範囲と現場の教育体制の両方から決めることが、採用後の期待のずれを減らす出発点になります。

5.自社の加工・検査工程を相談する

「加工できる人はいるが、測定の人手が足りない」「いまの担当者に検査も加えたいが、どこまで任せられるか分からない」。その段階からご相談ください。採用人数を先に決めず、止まっている作業を一つ選ぶところから整理します。

ご相談は、この3点から

1
業種・製品

何を製造しているか、お知らせください。

2
任せたい作業

加工・検査の内容をお知らせください。

3
現場の困りごと

いま困っていることをお知らせください。

測定器や、いま良否を判断している担当者が分かれば、あわせてお書きください。詳しい工程表、図面、取引先名を最初からそろえる必要はありません。お問い合わせ欄に「加工・検査の記事を見た」と添えていただくと、相談したい点が伝わりやすくなります。

自社の加工・検査工程を相談する

相談では、分担したい仕事、採用・配置に向けて追加で確認する条件、教育や品質管理で詰めたい点を整理します。現在の担当者の仕事を広げたい場合も、これから採用したい場合も、いま迷っていることからお聞かせください。

RingHRでは、工程と採用ニーズの整理からご相談を承ります。在留資格の個別判断や申請業務が必要な場合は、行政書士事務所YellowTailでの受任範囲・費用を別途ご案内します。人材紹介・登録支援と申請業務は、契約内容を分けて確認します。

本稿は特定技能1号・工業製品製造業分野を中心とする解説です。資料確認日:2026年10月15日。公表事例は各掲載時点の内容です。実際の採用・配属・作業変更は、最新の制度、事業所・製品・実作業、本人の在留資格・技能、教育・品質管理体制を個別に確認して判断します。

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