樹脂部品の後工程|ねじ締め・フェルト貼りの欠員から考える
成形機は動かせるのに、その後のねじ締めやフェルト貼りに人を回せない。もし現場がそうした状況なら、必要なのは「工場で働く人」という広い募集より、欠員のある作業を担える人をどう採るかという検討です。ねじを締める、貼る、仕上がりを確かめる。それぞれを分け、任せたい範囲を具体的にしていきましょう。
- 人が足りない後工程を、動作・工具・確認作業まで説明する
- 公表事例が示す範囲と、自社で確かめる条件を分ける
- 教える人と品質基準をそろえて、採用を検討する
1.「組立を一人」より、「どの作業を分担するか」から考えます
後工程への応援で、成形担当者や熟練者が本来の持ち場を離れているなら、まずその作業を見える形にしてみてください。採用する人に求める経験と、入社後に教えることを分けるためです。
- 1成形品と取り付ける部材
- 2ねじ締め・貼付けの動作
- 3締付け・位置・外観の確認
- 4不良時に止める・報告する
RingHR作成の工程・確認手順の整理図です。各作業の従事可否を示す図ではありません。
| 任せたい作業 | 現場で書き出す内容 |
|---|---|
| ねじ締め | 部品、工具、締付け条件、順序、結果の確認方法 |
| フェルト貼り | 貼付け位置、向き、剥離紙、位置ずれ・浮きの確認方法 |
| 検査 | 付け忘れや外観をどう確認し、誰が良否を決めるか |
| 前後の作業 | どこで成形した製品か。運搬・組付け・検査の担当関係 |
これらは仕事を整理するための例です。ねじを締める、フェルトを貼るという動作名だけでは、特定技能で任せられるかは決まりません。社内の作業標準に沿って内容を具体化します。
2.公表事例から、後工程を見る視点を増やします
設備導入の事例|貼付けだけでなく、運搬と検査も課題だった
設備事業者の公表事例では、自動車用パネル等のクリップ・フェルトを扱う工程に加え、成形機からの運搬と別工程での検査が課題となっていました。提案設備は、クリップの自動挿入と装着確認を行うものです。
この事例から自社で考えたいのは、欠員を埋めたい作業の前後です。貼る人だけを増やしたいのか、運搬や確認まで一連の担当を見直したいのか。募集する前に範囲をそろえておきたいところです。
出典:工場 省人化・自動化ナビ「自動車用プラスチック製クリップの自動挿入機」/公開日の記載は未確認/2026年10月15日閲覧。公表資料を紹介しており、RingHRの支援実績を示すものではありません。事例企業名は本文では省略しています。
特定技能人材の事例|成形・組立・検査が主な業務に挙がる
JAIM事例集のプラスチック製品製造の例では、主な業務に成形・組立・検査が掲載されています。
ただし、ねじ締め・フェルト貼りの詳細は資料から未確認です。設備導入事例で確認できた作業と、特定技能人材の受入れ事例をつなぎ合わせて、従事可能と結論づけることはできません。
出典:JAIM掲載「受入れ事例集」掲載頁39(PDF40頁)/2024年1月時点。公表資料を紹介しており、RingHRの支援実績を示すものではありません。事例企業名は本文では省略しています。
「自社ではどうか」が気になった方へ
「成形品に、この部材を付けている」という説明からで構いません。制度の用語へ言い換える前に、いま任せたい作業をお知らせください。 工程相談で伝える内容を見る
3.自社で見るのは、製品・事業所と担当業務の条件です
樹脂製品ということだけで、配置を決めない
JAIM FAQ Q2-29-1・Q2-29-5は、プラスチック製品を製造する事業所や、自動車用プラスチック部品について説明しています。産業分類に加え、本人の業務区分と実際に従事する業務の対象性を確認する内容です。
自社では、成形も行う事業所なのか、購入した成形品へ部材を取り付ける事業所なのか、製造実態を整理します。その上で、ねじ締め・貼付け・検査の内容と、本人の条件を照合します。
参照:JAIM「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」Q2-1-1・Q2-29-1・Q2-29-5(令和8年9月18日時点版)。FAQは制度運用の解説資料として参照しています。
後工程なら、一律に担当できるわけではありません
分野別運用要領は、対象業務に主として従事することを求め、関連業務については次の制限を示しています。
「専ら関連業務に従事することは認められません。」
法務省・経済産業省編「工業製品製造業分野の運用要領」14頁【業務内容】(令和8年6月25日一部改正)
成形の後にあるから、貼付けだけへの専任配置もできる、とは判断できません。作業を主業務・関連業務へ名前だけで振り分けず、一日の担当全体と、対象となる仕事との関係を確認します。
参照:JAIM「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」Q4-1・Q4-2-1(令和8年9月18日時点版)。FAQは制度運用の解説資料として参照しています。
4.採用してから「教える余裕がない」とならないために
ねじの締付けや貼付け位置を、現場の感覚だけで伝えていないでしょうか。品質を任せるためには、本人の経験の確認と、自社の「できた」の基準をそろえる準備が必要です。
| 先に決めたいこと | 準備の例 |
|---|---|
| 教える内容 | 部品の向き、工具の使い方、貼る位置を作業標準・写真・見本で示す。 |
| 習得を確かめる人 | 本人に作業を再現してもらい、どの担当者が確認するか決める。 |
| 不良・異常時の対応 | 付け忘れ、位置ずれ、工具の異常等で、どこで止め誰に報告するか示す。 |
| 習得までの配置 | 教育時間と、その間に不足する作業を補う人を見込む。 |
JAIM FAQ Q2-4-1・Q2-4-2は、新しい技能を要する業務の訓練・研修について説明しています。上表は、その準備を現場で具体化するためのRingHRの提案です。
参照:JAIM「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」Q2-4-1・Q2-4-2(令和8年9月18日時点版)。FAQは制度運用の解説資料として参照しています。
「任せられる作業か」と「自社で教え、品質を確認できるか」を一緒に考える。そこまで整理できると、人事が募集したい条件と、現場が受け入れたい人の条件を合わせやすくなります。
5.ねじ締め・貼付けを相談する
成形品に何を取り付け、何を確認しているか。普段使っている言葉で教えてください。成形後のどこで人手が足りないかから、採用を検討するための条件を整理します。
ご相談は、この3点から
何を製造しているか、お知らせください。
作業の内容をお知らせください。
いま困っていることをお知らせください。
その事業所で成形も行っているかが分かれば、あわせてお書きください。今の兼務や応援の状況が分かると、採用で変えたい役割が伝わりやすくなります。
相談では、任せたい仕事と採用ニーズを整理し、追加で確認する条件、教育・配置で詰めたい点を明らかにしていきます。初回から図面、取引先名、個人の在留カード画像を送る必要はありません。
RingHRでは、工程と採用ニーズの整理からご相談を承ります。在留資格の個別判断や申請業務が必要な場合は、行政書士事務所YellowTailでの受任範囲・費用を別途ご案内します。人材紹介・登録支援と申請業務は、契約内容を分けて確認します。
対象は特定技能1号・工業製品製造業分野を中心とする解説です。資料確認日:2026年10月15日。公表事例は各掲載時点の内容です。実際の採用・配属・作業変更は、最新資料、事業所・製品・担当業務、本人の在留資格・技能、教育・安全体制を個別に照合して判断します。

070-8515-6545